ウクライナ侵攻で露兵50万人死亡 英情報機関推計「後退示す」

2026/05/28 09:33 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 英国で通信傍受などを担当する情報機関・政府通信本部(GCHQ)のキーストバトラー長官は27日、2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以降のロシア兵の死者数が約50万人に上るとの推計を明らかにした。露独立系メディアなどの推計を大きく上回っており、キーストバトラー氏は露軍の「戦場での後退」を示していると述べた。英メディアが伝えた。

 ロシアはウクライナ侵攻に伴う死傷者の情報を機密扱いとする。露独立系メディア「メディアゾーナ」と英公共放送BBCなどが公開情報で確認した露側の死者は23日時点で約22万人。メディアゾーナと別の露独立系メディア「メドゥーザ」による合同の推計(9日発表)では、露兵の死者は約35万人となっている。

 キーストバトラー氏は英国などへの脅威に関するロンドン郊外での講演で、露兵の死者数に言及した。「ロシアは英国や欧州に対する日々のハイブリッド活動を拡大している」と警告し、海底ケーブルやサイバー空間、サプライチェーン(供給網)などが標的にされていると説明した。

 英国など欧州各国では、ロシアが他国民に「外注」した疑いが強い破壊工作やスパイ活動も相次ぐ。キーストバトラー氏は「無謀な破壊工作や暗殺未遂にも対抗している」と述べた。

 ウクライナ軍はここ数カ月、ロシアに占領された地域やロシア国内への無人機(ドローン)攻撃で攻勢を強めている。ゼレンスキー大統領は22日にはX(ツイッター)で「年初以来、590平方キロの領土を奪還した。我々はロシア兵排除のペースを加速させ続けている」と主張した。

 要因として、ウクライナ軍が活用する米スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」の端末のうち、露軍が不法利用していた分の通信が2月から遮断されたことや、ウクライナ軍の中距離ドローンの能力が向上したことが指摘されている。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース