EU、強制送還用の収容施設の域外設置を容認へ 不法移民対策で
欧州連合(EU)は不法滞在移民への対策を強化する方針を固めた。EU域外の国に強制送還用の収容施設を設けることなどについて、行政執行機関である欧州委員会と加盟国、欧州議会の3者で1日夜に合意した。極右政党が躍進するなど、欧州各国での反移民感情の広がりを受けた措置といえるが、人権団体からは過度に厳格化すれば人権を損ないかねないとの懸念の声も出ている。
合意内容によると、EU各国は、難民申請が却下されたり、滞在ビザの期限が切れたりして滞在資格がない外国人を強制送還するために、協定を結べばEU域外に収容施設を作って送り込むことができる。
背景には、不法滞在の外国人のうち、実際にEU域外へと退去したのは28%(2025年)に過ぎず、大半が違法状態のまま域内にとどまっていることへの不満がある。担当のマグヌス・ブルンナー欧州委員は声明を出し「新ルールで、誰がEUに来られるかに加えて、誰が去らねばならないかも、よりコントロールできる」と合意を歓迎した。
EUでは、すでにイタリアがアルバニアで収容施設を運営している。オランダやドイツなども収容施設設置を検討しており、同様の取り組みが加速する可能性がある。
収容施設の運営には人権への配慮が求められるが、欧州メディアによると、移民・難民の支援団体からは施設がEU域外に設置されることなどから、収容者が劣悪な環境に置かれる可能性が指摘されている。
合意内容にはこのほか、不法移民の拘束期間の延長や、捜索の権限強化も盛り込まれた。欧州議会と加盟国間で正式に採択されれば発効する。
米政治専門メディア「ポリティコ」によると、欧州議会では、リベラル会派などが反対する一方で、フォンデアライエン欧州委員長の出身である中道右派の第1会派「欧州人民党」に加え、EUに懐疑的な右派会派や極右会派も賛同し、交渉を主導した。【ブリュッセル岡大介】
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