「最優先は福島の責任を貫徹すること」 東電の横尾会長就任会見
東京電力ホールディングス(HD)は2日、今月25日の株主総会で新会長に就く横尾敬介氏(74)の就任記者会見を開いた。横尾氏は「困難と責任の重さを強く認識し、身の引き締まる思いで引き受けた。最優先は福島の責任を貫徹することだ」と語った。
横尾氏は日本興業銀行(現みずほ銀行)出身。みずほ証券社長や経済同友会専務理事などを経て、直近では官民ファンド「産業革新投資機構」(JIC)の社長を務めた。銀行員時代には大手電力会社の融資業務にも関わっていた。
東電HDは電力自由化に伴う新電力との激しい競争にさらされ、燃料費や設備投資コストの増加によって利益が圧迫されている。経営再建に向け、現在は電力業界以外も含めた他社との協業を目指す「アライアンス(提携)」を模索している。
ただ、横尾氏は「財務改善のために稼ぐ力をいかにつけていくか。アライアンスは一つの方法論。社長以下、執行側の声をよく聞いた上で進めていきたい」と述べ、提携の具体的な道筋には言及しなかった。
◇業界全体で不祥事相次ぐ
一方、東電HDを含む大手電力では、社員による法廷での無断録音が発覚している。さらに、中部電力は浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、想定される地震のデータを不正に操作するなど、業界全体で不祥事が相次いでいる。
こうした業界体質を問われた横尾氏は「東電の常識であっても世間の非常識ということがあれば、変えていく努力をする」と話した。
東電HDは2011年の福島第1原発事故を受け、これまで4代続けて社外から会長を登用し、経営改革や適切な業務執行の監督を担わせてきた。現会長の小林喜光氏(79)は元三菱ケミカルホールディングス会長で、金融出身は横尾氏が初となる。【山口智】
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