中国当局、天安門事件遺族の墓参りを初禁止か 追悼文読み上げも
民主化を求める学生らを中国当局が武力弾圧した1989年6月4日の「天安門事件」から37年を迎えるのを前に、北京市の公安当局が遺族団体「天安門の母」に対し、4日に墓参りすることを禁じる通知を出したと米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が伝えた。遺族らは違法な要求と抗議して撤回を求めたという。報道によると、30年あまり続く遺族の墓参が禁止されるのは初。
◇「人間性にもとる」遺族らは抗議
事件で家族を失った「天安門の母」のメンバーは例年6月4日、犠牲者が眠る北京市内の墓地を訪れて追悼文を読み上げ、真相公開を求めてきた。RFAによると、今年は事前に公安当局から個人や集団での墓参や追悼文の読み上げなどを禁止するとの通知が届いたという。
遺族らは1日に「公安局の要求は憲法や法律に違反し、人間性にもとる。関連部門は理不尽な要求を取り消すよう求める」とする抗議文を出した。遺族の一人は「以前はできたことさえ許されなくなった。(墓参に)行けないのは前例のない事態だ」とRFAの取材に語った。
◇追悼の活動が摘発対象に
習近平指導部には、共産党の暗部である歴史の記憶を風化させる狙いがあるとみられる。
従来、中国当局が遺族と海外メディアの接触を妨害することなどはあっても、遺族たちが事件当日に墓参りをすること自体は当局の監視下で黙認されてきた。
天安門事件の追悼行動への弾圧は年々、厳しさを増しており、昨年末にも「天安門の母」の交流会が当局の介入で初めて中止に追い込まれた。かつて大規模な集会が開かれていた香港でも、2020年の香港国家安全維持法の施行により、追悼活動が摘発対象になっている。【北京・河津啓介】
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