ICCは「決して屈しない」 「トランプ制裁」への反論声明全文

2026/10/10 17:41 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米国による国際刑事裁判所(ICC、本部=オランダ)に対する制裁発表を受けて、ICCが発表した声明の全文は以下の通り。

 ◇国際法秩序の根幹に対する「攻撃」

 本日、米国は国際刑事裁判所(ICC)そのものに対して制裁を科した。この前例のない措置は、正義の実現に尽力する13人の独立した裁判官および検察官に対する一連の指定措置に続くものである。

 今回の措置が標的にするのは、条約に基づき設立され、ジェノサイド(集団虐殺)、人道に対する罪、戦争犯罪、および侵略罪の捜査・起訴を125の締約国から委ねられている独立した司法機関だ。

 これは、司法の過程を妨害し、ICCが果たそうとするその設立目的を阻もうとする試みだ。法の支配、そして国際法秩序の根幹に対する攻撃であり、「いかなる者も法を超越することはできない」という単純な原理を揺るがすものである。

 ◇ICC維持は締約国の「決意次第」

 今回の制裁指定は、裁判所の運営を妨害し、裁判所で働く人や協力する人を威嚇することを目的としている。

 しかし、ICCは決して屈することはない。ICCの赤根智子所長は「当裁判所は、重大な犯罪の無数の犠牲者のために、法と証拠のみに基づいて行動し、独立性と公平性を保ちながら、今後もその任務を完全に遂行し続ける」と述べた。

 しかし、ICCは単独では立ち行かない。その運命は今や、ICCを創設した加盟国の手にも委ねられている。

 (ICC設立の根拠となった)ローマ規定は、国際社会全体が関心を寄せる最も重大な犯罪が、決して処罰を免れてはならないという集団的な約束である。その約束を果たせるかどうかは、それを交わした者たちの決意次第である。

 ◇歴史がいずれ、この瞬間を「裁く」

 課題があるかもしれない。しかし、ICCは締約国と協力し、活動の継続性と強じん性を確保するために多大な努力を重ねてきた。

 ICCは、活動を継続するために必要な手段を今後も確保できるよう、各国に対し具体的な措置を引き続き講じるよう呼びかけている。これは単なる一つの機関を守るということではなく、法の支配に基づく国際秩序を守ることだ。

 いかなる者も、正義の実現に奉仕することで罰せられるべきではない。歴史がいずれこの瞬間を裁くことになるだろう。

 将来の世代、とりわけ大量残虐行為の被害者たちは、自分たちを守るために創設された機関が攻撃を受けた時、私たちがどのように対応したのかを問うことになる。

 彼らは、ICCが揺るぎない姿勢を貫いたのか、国際社会は自らが掲げた原則を擁護したのか、それとも圧力の下でそれらを放棄してしまったのかを問うことになるだろう。

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース