基礎年金底上げ案 「本則」から除外で検討 与野党から批判受け

2025/04/11 21:18 

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 政府は年金制度改革関連法案で、厚生年金の積立金を活用した基礎年金底上げ案について、法案の本体部分にあたる「本則」に入れない方向で検討に入った。現行案は厚生年金の受給額が一時的に減る内容で、与野党から批判が出ている。底上げ案を本則から外すことで法案への理解を得たい考えだ。

 基礎年金の底上げは、国民年金受給者や基礎年金の割合が高い低賃金の厚生年金受給者らが将来的に低年金に陥ることを防ぐ目的があり、今回の改革の柱の一つだ。ただ、厚生年金の財源を基礎年金に振り分ける内容で、「厚生年金の流用」として与党内でも反対の声がある。

 現行案では、底上げを実施するかどうかを次期財政検証(2029年)の結果などで改めて判断することになっている。本則からは外すが、将来的な実施に向け、付則などで今後の検討事項として明記することも検討されている。

 現行の公的年金制度では、少子高齢化を踏まえて物価や賃金の伸びよりも年金額を抑制する「マクロ経済スライド」という仕組みがある。厚生労働省によると、厚生年金の抑制はパートら短時間労働者が厚生年金に加入する適用拡大で28年度に終わる見通しだったが、現行案で少なくとも30年度まで続くことになっていた。【宇多川はるか】

毎日新聞

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