「真実は一つだ」 裏金巡り参考人招致の下村氏、還流再開の指示否定

2025/05/27 19:06 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 自民党の政治資金パーティー裏金事件を巡り、衆院予算委員会は27日、旧安倍派幹部だった下村博文・元政調会長を参考人招致した。下村氏は、いったん中止が決まったパーティー券収入のキックバック(還流)が再開された経緯について、自らの指示を否定。幹部4人が集まった2022年8月の会合では明確な結論が出なかったと主張した。

 旧安倍派幹部の参考人招致は世耕弘成・前参院幹事長に続き2人目。会計責任者だった松本淳一郎氏の説明といずれも食い違い、真相解明には至らなかった。

 事件では、派閥会長だった安倍晋三元首相が22年4月に還流中止を指示したが、安倍氏が死亡後に還流が再開された経緯の解明が焦点になっている。

 下村氏は27日の質疑で、安倍氏が還流中止を指示した後に所属議員から再開を求める声があり、安倍氏と松本氏に伝えたと説明。22年8月の幹部会では、還流の代わりに所属議員に資金を提供する方法を議論したものの、「(還流の)再開を決めたことはない。結論は明確には出なかった」と述べた。還流再開への関与についても「(松本氏に)再開を指示したことはない」と否定した。

 松本氏は今年2月、衆院予算委の聴取に対し、22年8月の幹部会について「(還流再開の)方向性を決めた会だった」と証言。還流を求めた幹部が「(今は)現職ではない」と話し、この幹部が下村氏だった可能性が浮上していた。

 下村氏は松本氏の証言との食い違いについて「事務方の責任者であり、結論が決まらないことは結果的には今まで通りでよいと判断をされたのではないか」との見解を示した。

 参考人招致後、下村氏は記者団の取材に「隠してたりうそを言ったりしていない。真実は一つだ」と語った。【畠山嵩】

毎日新聞

政治

政治一覧>

写真ニュース