トランプ氏、脱税事件で実刑判決の経営者を恩赦 母が夕食会出席後

2025/05/28 16:00 

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 米紙ニューヨーク・タイムズは27日、巨額脱税などの事件で4月に実刑判決を受けた男性経営者の母親が会費100万ドル(約1億4400万円)を支払ってトランプ大統領の私邸「マララーゴ」(米南部フロリダ州)で開かれた資金集めの夕食会に出席し、その後に男性が恩赦されたと報じた。

 トランプ氏は2期目の就任直後から大統領権限によって自らの支持者らを相次いで恩赦・免訴しており、同紙は「敵には懲罰を与え、支持者には寛容な処置によって報いる新たな事例だ」と指摘している。

 同紙などによると、男性はフロリダ州で医療保健会社を経営するポール・ウォルツァック氏(55)。医師、看護師ら従業員から源泉徴収した所得税や社会保険料など計1000万ドル以上を2011年以降納付しなかった脱税などの罪で23年2月に訴追され、今年4月11日に禁錮1年6月の実刑判決を言い渡された。集めた金はヨットの購入や新規事業の資金などに充てた。

 裁判手続きの中で有罪を認めたウォルツァック氏は今年1月のトランプ氏の就任前後に恩赦を申請したが可否を巡る動きはなく、トランプ氏の熱心な支持者でもある母親のエリザベス・ファゴ氏(74)が4月上旬に会費1人100万ドルでトランプ氏と直接対面できる夕食会に出席。同23日に恩赦が認められたという。

 米メディアによると、トランプ氏は2期目の就任初日の1月20日、21年の議会襲撃事件で訴追された1500人以上を恩赦・免訴としたほかにも30人以上に恩赦を与えるなどしているという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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