私的情報漏えい 兵庫県議会各会派が対応検討 知事に辞職迫る会派も

2025/05/29 23:45 

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 兵庫県の斎藤元彦知事らの疑惑を告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報について、斎藤氏らの指示で漏えいされた可能性が指摘され、県議会の主要各会派が対応の検討に入っている。当面は6月6日に県議会で予定されている各会派の代表質問で漏えいの問題が取り上げられるかが焦点だ。一部会派は辞職を迫る姿勢を鮮明にするが、事実関係の見極めを重視する会派もある。

 「知事の発言には整合性がないのではないか」

 県議会最大会派の自民党県議団(36人)の幹部は首をかしげた。

 漏えい問題を調査した県の第三者委員会は27日に報告書を公表。元県総務部長の井ノ本知明氏が県議3人に元局長の私的情報を漏えいしたと認定し、斎藤氏らの指示だった可能性が高いと指摘した。

 斎藤氏は指示を否定。一方で、斎藤氏の指示と受け止めて漏えいしたとして元県総務部長を停職3カ月とする懲戒処分案を決裁している。この幹部は「指示したかどうか徹底的に調べないと処分できないはずだ」と指摘した。他の県議によると会派内では「代表質問で情報漏えいも問うべきだ」との声も出ているという。

 代表質問で情報漏えい問題を追及する構えなのが第4会派のひょうご県民連合(8人)だ。上野英一幹事長は「代表質問を書き換える。今回のことで決定的になった。明確に辞職を迫っていく」と強調した。

 一方で、斎藤氏は不信任決議を受けた2024年11月の出直し知事選で111万票あまりで再選されている。第3会派の公明党県議団(13人)の幹部は27日、取材に「再選されていることは重く受けとめなければいけない」と説明。「さまざまな問題がはっきりした上で、全部総括して、(斎藤氏の)責任を問うような場面はどこかで作らなければならない」と事実関係を見極める姿勢を示した。漏えい問題を代表質問に盛り込むかは検討中だという。

 第2会派の維新の会県議団(18人)は6月3日に議員団総会を開く予定だが、幹部の一人は「代表質問で取り上げる予定はない」と話した。【稲生陽、柴山雄太、前田優菜、幸長由子】

毎日新聞

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