中居氏側、フジ第三者委に再度の証拠開示要求 「性暴力」認定巡り

2025/05/30 20:31 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 元タレントの中居正広氏の代理人弁護士は30日、フジテレビが設置した第三者委員会が中居氏の「性暴力」を調査報告書で認定したことを巡り、同委に対し、報告書作成に用いたヒアリング記録の開示や、性暴力認定に至った証拠の開示と説明を再度求める文書を公表した。

 第三者委は3月末、フジの元アナウンサーの女性が2023年6月2日に中居氏から「業務の延長線上の性暴力」を受けたと認定するなどした。中居氏側は文書で、第三者委が性暴力認定でよりどころにした世界保健機関(WHO)の定義について「公衆衛生上の予防や調査を目的とした概念で、個別事案を判定するための法的指標ではない」と主張。「『性暴力』というレッテルを貼ったことは重大な人権侵害」とした。

 また、第三者委からは「2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではなく、その前足と後足が大事」と伝えられたと説明。「胴体」(密室部分)について「中居氏は調査対象外と理解し、ヒアリングに臨んだ」のに性暴力があったと断罪されたとして「だまし討ち」に等しく、中居氏が「愕然(がくぜん)とした」と記した。

 「業務の延長線上の性暴力」に対しても、中居氏と女性の間に「雇用・指揮監督関係や、上下の業務的権限関係は存在しない」と記載。2人の間にはさまざまなやり取りがあり、女性から中居氏に「勇気づけられた」などのメールをもらう関係だったと主張した。

 女性の代理人弁護士は30日、毎日新聞の取材への回答で、中居氏側が記した女性との関係性やメールなどについて「事実と異なり、看過できない」と批判。「公表文書で、あえて中居氏がこのような言及を行ったことは、女性へのさらなる加害(2次加害)に他ならない」と抗議した。

 第三者委の報告書を巡っては、中居氏側が12日に性暴力の認定に反論し、証拠開示などを求める文書を公表。第三者委は22日に「認定は適切」とし、証拠は非開示とする回答を発表した。

 第三者委の委員長を務めた竹内朗弁護士の法律事務所は、中居氏側からの再度の文書について、取材に「お答えしかねる」とコメントした。【河慧琳、井上知大】

毎日新聞

社会

社会一覧>

写真ニュース