ガザ人道危機巡り、制裁も検討 フランスなどがイスラエルを非難

2025/05/31 17:02 

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 シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で30日、フランスのマクロン大統領とシンガポールのウォン首相が共同記者会見を行い、パレスチナ自治区ガザ地区の人道危機を巡りイスラエルを名指しで非難した。

 ロイター通信などによると、マクロン氏はガザの状況が「耐えがたいものになっている」と述べ、人道状況が改善しない場合、イスラエルに「強硬姿勢を取らざるを得ない」と警告。欧州諸国が連携して制裁を科す可能性にも言及した。

 ウォン氏も会見で、「我々はイスラエルには自衛の権利があると認めてきたが、残念ながら、その行動は行き過ぎだ」と厳しく批判。支援物資の搬入をイスラエルが制限している点について「国際法違反の可能性がある」と指摘した。

 イスラエルは3月初旬から2カ月半にわたり、ガザへの支援物資搬入を阻止してきた。5月中旬に一部の搬入が再開されたものの住民には行き渡っていない。国連は30日、ガザが「地球上で最も飢餓に苦しむ場所」であり、約210万人の住民全員が飢餓の危機にさらされていると警鐘を鳴らした。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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