貫いた「らしさ」 BL東京がリーグ史上初連覇 リーグワンPO決勝

2025/06/01 21:21 

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 ◇ラグビー・リーグワン・プレーオフ決勝(1日・国立競技場)

 ◇○東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)18―13●クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(東京ベイ)

 4シーズン目となった群雄割拠のリーグワンで、BL東京がこれまでどのチームも果たせなかった連覇の偉業を成し遂げた。

 勝利への執念がにじみ出るように主将同士が激しくぶつかり合い、会場がどよめく中で始まった。8―6とわずかにリードして折り返したが、敵陣深くに進みながら、得点を重ねられなかった。

 もどかしい状況で迎えた後半7分。自陣からマイボールスクラムで始まった攻撃で、ボールを持ったSH杉山優平が一気にスピードを上げた。右手の骨折を押して出場したSOリッチー・モウンガも相手の防御をかいくぐり、最後はWTB森勇登がトライを決めた。

 今季のリーグ戦で最多得点を誇るBL東京がスピード勝負で、最少失点だった東京ベイの一瞬のほころびを突いた。「矛」が「盾」を突き破った瞬間だった。

 初の王者として迎えた今季は、常に追われる立場だった。だからこそ相手を意識せず、ボールをつないで前に出る自分たちのラグビーを求め続けた。

 決勝までの1週間で掲げたテーマも、英語で「自分たちらしく」を意味する「Be Us」だった。決勝前日、主将のリーチ・マイケルは記者会見で「自分たちにフォーカス(焦点を当てる)」と何度も繰り返した。

 相手のタックルで倒れかかってもパスをつないだ。終盤は守勢に回ったが、「プライドを持ってきた」とリーチが語るように、低く組織的なタックルを貫き、相手に「素晴らしいアタックだった」と言わしめた。

 「連覇のプレッシャーがあった。ほっとした」。昨年の決勝と同じように、5万人以上が詰めかけた国立競技場で、リーチは誇らしく優勝トロフィーを掲げた。【川村咲平】

毎日新聞

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