第９２回日本ダービー（１日・東京１１Ｒ２４００メートル芝１８頭、ＧⅠ）

　◇優勝・クロワデュノール＝２分２３秒７

　本領を発揮したクロワデュノールが鮮やかに押し切り、２０２２年生まれのサラブレッド、７９５０頭の頂点に立った。

　「呼吸一つとっても、馬と一体になれていた気がする」。手綱を取った北村友一騎手が終始、意識したのは馬と自分のリズムを崩さないこと。あとは馬を信じるだけだった。序盤から３、４番手の好位置をキープ。最後の直線で先頭に抜け出すと、そのまま堂々とゴール板まで駆け抜けた。

　皐月賞は圧倒的１番人気ながら２着に終わった。それでもこの日、再び１番人気に支持されたように、その能力の高さに対するファンの信頼は揺るがなかった。期待に応える走りで優勝を飾り、北村は「クロワデュノールがダービー馬になれたことが何よりうれしいし、最高のエスコートができて良かった」と喜んだ。

　２１年に落馬事故で大けがをした北村が、必死のリハビリを経て復帰後、出会ったのがクロワデュノールだった。北村は「ここに至るまでの過程すべてに意味があったんだなと感じています」と感慨深げだった。【円谷美晶】