プロ野球・オリックス―西武（ほっともっとフィールド神戸）の３１日の試合前、近鉄と合併前のオリックス・ブルーウェーブを１９９５年にリーグ優勝へ導いたイチローさん（５１）が神戸のファンへサプライズでメッセージを寄せた。

　阪神大震災から３０年の節目に、今季初めて神戸で開催される一戦。午後５時５１分、バックスクリーンにイチローさんの姿が映し出されると、球場にどよめきが起こった。

　イチローさんは「がんばろうＫＯＢＥ」を合言葉に快進撃を見せた９５年を「今でも当時の記憶は僕の中に深く刻まれています」と話し、「僕にとって神戸は特別な場所」と強調した。「変わりゆく神戸の街並みを見ると震災から復興しているように見えますが、いまだに苦しみ、悲しみを抱いている方がいらっしゃいます」と思いやり、「体験していない世代に何が起こったか伝えていくのは極めて難しいことですが、これは震災を体験した我々がやっていかなくてはいけない使命。少しでも野球を通してメッセージが届けられるようにこれからも励んでいきたいと思います」と誓った。

　その後の始球式にはエースとして９５年の優勝に貢献した星野伸之さん（５９）が登場。選手たちは９５年のブルーウェーブ時代の復刻ユニホームで試合に臨んだ。【皆川真仁】