夫婦別姓法案、継続審議でも参院選の争点に 保守層中心に反対論も

2025/05/30 19:05 

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 選択的夫婦別姓の導入を巡り、野党3党が提出した法案が30日、衆院法務委員会で審議入りした。衆院での審議は28年ぶりだが、いずれの法案も過半数の賛成が得られる見通しは立っていない。継続審議となった場合、夏の参院選で争点になる可能性がある。

 立憲民主党と国民民主党の法案は、いずれも夫婦が婚姻後に別々の姓を選択できるように民法を改正する内容。両法案は、子の姓の決め方に違いがある。

 立憲案では婚姻時に子の姓をいずれかに決めるのに対し、国民民主案は婚姻時に「戸籍の筆頭者」を定め、子の姓は筆頭者と同一にする。

 一方、日本維新の会の案は「夫婦同姓」の原則を維持しつつ、旧姓を通称として使用する機会を法制上確保する内容。戸籍に旧姓を記載できるようにし、パスポートなどの公的証明書に旧姓を単独で記載することを認める。

 立憲の野田佳彦代表は30日の記者会見で「1党だけで法案を通すことは厳しい。なるべく多くの党に賛同いただけるように努力する」と述べ、国民民主など他党の協力に期待を示した。

 ただ、選択的夫婦別姓の導入には保守層を中心に反対論が根強く、慎重な議論を求める声も多い。

 毎日新聞が17、18日に実施した全国世論調査では「今国会での成立にこだわらず議論を続けた方がよい」と答えた人が44%で、「今国会で成立させた方がよい」と答えた人の18%を大幅に上回った。

毎日新聞

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