いわき信組、不正融資総額247億円 無断口座開設 第三者委が認定

2025/05/30 17:28 

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 いわき信用組合(福島県いわき市)が預金者名義で無断で作った別口座に不正に融資したとされる問題で、信組が設置した第三者委員会は30日、調査結果を公表した。こうした架空融資など不正な融資が1293件、累計247億円に上ったと認定した。

 不正融資した資金は、経営難の大口融資先の返済に充てていた。不良債権でないと装うことで、信組の経営への悪影響を回避する狙いがあったとみられる。架空融資などの不正は、遅くとも2004年から約20年間にわたって行われていたという。

 調査結果によると、信組は預金者の中から名義人を選び、印鑑や書類を偽造して勝手に口座を開設。融資の申し込みを受けたかのように装って資金を口座に振り込み、そこからさらに、大口融資先へ資金を回していた。

 財務省東北財務局は29日、いわき信組に対し、経営体制の見直しなどを求める業務改善命令を出した。命令を受け、いわき信組は本多洋八理事長の退任など、現経営陣を大幅に刷新すると表明していた。

 いわき信組は24年11月、旧経営陣が大口融資先の企業の資金繰り支援目的で、個人への貸し出しを装い総額10億円超とみられる迂回(うかい)融資をしていたと発表。第三者委を設置して事案解明に乗り出していた。【柿沼秀行】

毎日新聞

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