選択的夫婦別姓、自民WT座長が「一任」宣言 半ば強引に議論収束

2025/05/28 20:07 

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 自民党は28日、選択的夫婦別姓制度の導入是非などを検討する「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)」の会合を開いた。旧姓の単独使用を可能とする見解を盛り込んだ「基本的な考え方」を大筋で了承した。ただ、党内の意見集約が難航する中、WT幹部からも異論が噴出。最後は逢沢一郎座長が「一任取り付け」を宣言し、半ば強引に議論を収束させざるを得なかった。

 自民は参院選前に党内の分断を避けるため、独自法案の提出を見送る方針を固めている。だが、30日には野党3党の法案が審議入りする見通しで、審議前に党としての姿勢を決定する必要性に迫られていた。

 逢沢氏は冒頭、「今の段階での最善の選択はどの辺にあるのか。お互いの努力で見いだしていきたい」と歩み寄りを呼びかけたが、議論は紛糾。WT幹部を務める古川禎久元法相は一任に反対の意向を表明した。ともに反対した制度導入推進派の井出庸生氏は会合後、記者団に「推進派の思いが反映されていない中身は了解できない」と憤った。

 推進派の意見が盛り込まれていないとの批判があるため、今後、修正を加える方針。逢沢氏は会合後、「党内にはいろいろな声がある。それを包含してどういう姿勢でこの問題に向き合っていくか。ギリギリの努力で整理をさせてもらった」と理解を求めた。【高橋祐貴、森口沙織】

毎日新聞

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