自民・西田氏「ひめゆり」発言、沖縄県議会が抗議文 面会できず憤り

2025/05/29 19:20 

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 「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)の展示内容を「歴史の書き換え」とした自民党の西田昌司参院議員の発言を巡り、沖縄県議会の超党派議員団が29日、自民党本部を訪れ、西田氏の厳格処分などを求める抗議決議文を森山裕幹事長に手渡した。議員団はその後、西田氏の事務所を訪れたが「日程上の都合」を理由に面会できなかった。自民県連幹部からも憤りの声が上がった。

 取材に応じた議員団代表の山内末子県議は「森山幹事長からは謝罪があり『これから党として教育も含めしっかり頑張っていきたい』という話があった」と明かした。西田氏が不在だったことには「10分でも5分でも時間を取ってほしかった。反省もないのかと憤りを持った」と怒りをあらわにした。

 議員団によると、西田氏側には1週間以上前から28~30日の日程で面会を要請したが、「どうしても都合がつかない」と連絡を受けたという。西田氏の事務所関係者は取材に「午前中は国会出席で都内にいたが、午後は所用で地元の京都に出向いた」と説明した。

 抗議決議は16日の県議会本会議で、自民、公明両党を含む賛成多数で可決された。西田氏の発言は「沖縄戦の実相をゆがめ、戦没者や戦争体験者を冒とくし、県民の尊厳を踏みにじるものだ」と指摘し、自民党に対し厳格な処分や、再発防止に向けた党内教育体制の再構築を要請した。

 山内氏は「西田氏には6月23日に沖縄で行われる『慰霊の日』に来て、県民に謝罪をしてほしい」と強調。自民に対しても「しっかりと答えを求めていく。離党勧告ぐらいの重い処分を考えてほしい」と話した。

 議員団の一員として同行した自民沖縄県連の座波一幹事長も「抗議を直接受け取ってもらえず大変残念だ。(抗議決議を)軽視したことになる」と苦言を呈した。【鈴木悟】

毎日新聞

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