栃木の学童、土曜日を「開設」と申請→実は休み 市の委託料水増し

2025/05/30 21:07 

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 栃木市は30日、市内で二つの学童クラブを開設していた学校法人「陽光学園」(佐山和章理事長)が、業務委託料の水増し申請や有資格職員の未配置など不適切な運営をしていたとして改善を指示したと発表した。

 不適切運営が発覚したのは、「ひまわり学童クラブ」の藤岡校と岩舟校。藤岡校は2024年度、市から放課後児童健全育成事業(学童保育)運営委託を受ける際、実際には休みにしていた土曜日も加えて開設日を年間290日として申請し、さらに、土曜日に開設したという虚偽の日誌を作成し、市に月次報告していた。情報提供を受けた市が2月から調査に入り、開設状況を確認したところ、実際の開設日数は年間232日で、原則250日以上とする学童保育の設備運営基準を下回ることが分かった。

 このため、年間開設日数による基本額が減額となり、市は5月、契約額を当初の約510万円から約147万円減額し約363万円に変更。すでに約383万円を支払い済みだったため、超過した約20万円を法人側から戻入させた。

 一方の岩舟校では24年4月の開設時から同11月まで、放課後児童支援員を配置していなかった。市と同校との業務受委託関係はなかった。

 同法人本部は1974年の設立で群馬県板倉町で幼稚園を経営していた。園は20年3月で閉園し、21年5月に現理事長が就任。同町と栃木市内の計3カ所で学童保育を手掛けたが、群馬県の指導を受け、現在は解散準備を進めている。

 藤岡校は今年3月で閉校し、岩舟校は理事長が経営するバス会社が学童保育ではない施設として営業を続けている。法人には両校の開設費用を補助するため、国の放課後子ども環境整備補助金など国、栃木県、市から1200万円が22、23年度にそれぞれ交付されている。【太田穣】

毎日新聞

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