横綱・大の里誕生「心待ちにしていた」 稽古場ある茨城のファン歓喜

2025/05/28 17:45 

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 「この町も好きですし、この部屋を選んだことも間違いじゃなかった」。大相撲夏場所で2場所連続4度目の優勝を果たし、正式に横綱が決まった大の里(24)=本名・中村泰輝(だいき)、石川県出身=は28日、茨城県阿見町の二所ノ関部屋で伝達式後にあった記者会見で、茨城への思いをこう語った。師匠・稀勢の里(現二所ノ関親方)以来8年ぶりの日本出身横綱。雄姿を一目見ようと、部屋周辺には大勢のファンが詰めかけ、手を振ったり、「おめでとう!」と声援や拍手を送ったりした。

 午前10時11分、相撲協会の使者が伝達式の会場に入ると、関係者や報道陣ら計250人でごった返した室内は厳かな雰囲気に包まれた。大の里は「謹んでお受けいたします。横綱の地位を汚さぬよう稽古(けいこ)に精進し、唯一無二の横綱を目指します」と口上を述べ、両親も傍らで見守った。

 初土俵から所要13場所での横綱昇進は、同郷力士・輪島の21場所を更新して「最速」。だが大の里は「番付は並んだがまだまだかなうと思っていない。石川県出身の先輩を超えられるよう頑張りたい」と、さらなる高みを目指す考えを示した。

 稽古場のある茨城県内のファンに対しては「これからも頑張ります。応援よろしくお願いします!」と笑顔で呼びかけた。

 伝達式には県内外から多数の関係者が訪れた。稀勢の里時代から二所ノ関親方を支援し、親方と大の里の全伝達式に出席している佐賀県みやき町の病院理事長、斎藤隆さん(56)は「大の里には10年ぐらい横綱を続けてほしい」と期待を寄せる。

 部屋前に駆けつけた阿見町の看護師、野口茂樹さん(50)は「阿見に部屋ができて相撲がより身近に感じる。新横綱の誕生を心待ちにしていた」と話した。土浦市の会社員、高橋祐一さん(41)は「うれしい気持ちでいっぱいだ。大横綱を目指して頑張って」とエール。30日に明治神宮である横綱推挙式や奉納土俵入りも見届ける予定だという。

 この日、阿見町役場には「祝 横綱昇進 大の里関」と書かれた懸垂幕も掲げられ、お祝いムードに包まれた。【鈴木美穂】

毎日新聞

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