電気・ガス補助金、累計予算4.6兆円に膨張 必要性に疑問の声も
政府は27日、2025年度一般会計の予備費の使途を閣議決定し、今夏の電気・ガス補助金を発表した。7~9月の料金を月1000円程度下げるよう補助し、昨夏の同時期よりも一般家庭などの負担を軽減する。23年1月に始まった同様の補助金の予算総額は累計約4・6兆円に達している。武藤容治経済産業相は同日の閣議後記者会見で「脱炭素の見地から言っても、いつまでも続けられるものではない」とクギを刺した。
政府が閣議決定した予備費の内訳は、電気・ガス補助金2881億円と重点支援地方交付金1000億円の計約3900億円。25年度は予備費として7395億円が計上されているが、天災などの緊急的な事案の対応に充てる残額は3500億円程度となった。
経産省によると、一般家庭向けの今回の補助額は、電気が1キロワット時当たり2円、都市ガスが1立方メートル当たり8円。8月のみ電気2・4円、ガス10円に増額する。工場やビルなどが使用する高圧電力は一般家庭向けの半額の補助となる。夏場の使用量がピークを迎える8月を重点的に支援する。
標準的な家庭では、電気・ガス料金の合計で7、9月は1040円、8月は1260円程度の負担が軽減される見通し。補助額の決定は「石破茂首相マター」(経済官庁幹部)で、昨年の7~9月より料金が安くなる水準を目指したという。
重点支援地方交付金は、LPガスや特別高圧電力を使用する中小企業などへの支援を中心に、自治体が状況に応じて活用する。
石破首相は4月、7~9月に電気・ガス補助金を再開すると表明した。ただ、足元の原油安の影響で電気料金の値下げが見通され、補助金の必要性を疑問視する声もある。
電気・ガス補助金は23年1月に始まり、補助を段階的に縮小するなどしながら廃止と再開を繰り返してきた。今回の再開を含めた予算の累計は4兆5688億円に達し、22年1月に始まった石油元売り業者へのガソリン補助金と合わせると、すでに11兆円超が支給されている。
一連の補助金は、新型コロナウイルス禍からの経済回復やロシアのウクライナ侵攻を受けた燃料高騰などの対応で、制度開始からしばらくは一定の効果を上げてきた。
ただ、脱炭素社会の実現を目指す政府方針とは逆行するため、武藤経産相は「いつまでも続けられるものではないが、今の国民生活の苦労を鑑みながら酷暑対策を引き続き(措置)させていただいた」と説明した。【中島昭浩】
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