兵庫の維新議員、離党相次ぐ 斎藤知事や泉房穂氏支持の会派へ

2025/06/07 05:45 

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 日本維新の会に所属する地方議員の離党・除名が県内で相次いでいる。兵庫県議3人が3月、2024年11月の知事選で再選された斎藤元彦知事を支持する地域政党を設立し、その後、神戸市議2人が合流。明石市議会では1人が元市長の泉房穂氏を支持する会派に入った。22年から離党が続いた尼崎市議会では、8日に告示される市議選の擁立者数が前回選を下回る事態になっている。

 維新の県組織・兵庫維新の会は2~3月に、岸口実県議を除名、増山誠、白井孝明両県議を離党勧告処分にした。24年の知事選で斎藤氏当選を目的に立候補していた政治団体「NHK党」の立花孝志党首に非公開だった県議会調査特別委員会(百条委)の録音データや真偽不明の文書、その他の情報を提供していたとしている。

 この3人が3月に地域政党「躍動の会」を立ち上げると、その後、神戸市議会では川口賢、大井敏弘両議員が維新を離党して合流した。川口氏は19年の初当選から維新に所属。大井氏は国民民主党を経て、23年の市議選で維新から立候補し、当選している。

 川口氏は離党の理由について、維新が24年9月の斎藤元彦知事の不信任決議案に賛成したことを挙げる。「当時の世論に迎合して斎藤知事を辞めさせる方向に方針転換した。現状が見えておらず、がっかりした」と話した。

 維新は23年の神戸市議選で15人を当選させ、市議会第2会派に躍り出たが、同年に1人が離党。川口氏らの離党で所属議員は12人となり、第3会派だった公明と並んだ。

 5月には、明石市議会の維新系会派「明石維新の会」幹事長を務めていた上田雅彦氏が、兵庫維新に離党届を出した。

 上田氏は理由について、24年10月の衆院選兵庫9区で、自民党の裏金問題で公認を得られなかった現職と、立憲民主党新人との事実上の対決構図に維新が割って入れるような態勢になかったと指摘。県政では文書告発問題の対応が後手に回り、24年の知事選も挙党態勢が構築できず、「ガバナンスが欠如していた」と指摘した。

 福祉関係に関心があったことから、泉氏が設立した地域政党(解散)の支援を受けて当選した市議でつくる会派「市民の会」に移った。兵庫維新は離党届を受理せず、泉氏も出席した市民の会の市政報告会であいさつしたという反党行為を理由に除名処分にした。

 ◇尼崎市議選は擁立減

 斎藤氏を巡る一連の問題が発覚する前から、維新の離党が続いていたのが尼崎市だ。

 21年の市議選で前回選より3議席増やし、公明党に次ぐ10人が当選した。だが翌22年6月、市議会の会派幹事長も務めた光本圭佑氏(辞職)の政務活動費を巡る不正疑惑が発覚。同月、光本氏は除名処分となり、その後、理由はさまざまだが、市議3人の離党が相次いだ。

 8日告示、15日投開票の市議選の公認は現職6人と新人1人の計7人にとどまった。13年に初議席を獲得してから擁立者数を増やし続けてきたが初めて減少に転じた。しかも、前々回の17年市議選の擁立者数も下回った。

 兵庫維新の青山暁幹事長は「光本氏の問題の影響で尼崎では離党者が相次いだ。議会は数なので多い方がいいのだが、今回は、間違いないという候補を選定して結果として7人に絞った」と述べた。【栗田亨、入江直樹】

毎日新聞

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