都議会で自民など提出の政治倫理条例可決 施行前の行為には適用せず

2025/06/07 12:00 

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 東京都議会第2回定例会の本会議が6日、開かれ、会派「都議会自民党」による裏金事件を受けて2案が出ていた政治倫理条例案のうち、自民・都民ファーストの会・公明党が共同提出した案が賛成多数で可決・成立した。共産党と立憲民主党、ミライ会議などが提出した案は否決された。

 可決された条例は、政治倫理に反する行為をした議員を政治倫理審査会で審査することを明記した。同審査会が政治的、道義的責任があると認定した場合、議場での陳謝や議員辞職を勧告するなどの答申をするとしている。さらに、政治活動に充てるすべての収入の口座への入金、連座制の効果を念頭に置いた会計責任者への監督責任を明記した。

 一方、条例施行前の行為については適用しないという規定が5日に追加された。

 本会議での趣旨説明で、都民フの遠藤千尋議員は「画期的な内容。議員には、条例の遵守(じゅんしゅ)に関する宣誓書の提出を義務づけている」と意義を強調した。

 一方、共産などの案は、今回の事件のきっかけでもある政治資金パーティーを自主的に禁止する条文を入れたが、可決された条例には盛り込まれなかった。討議で共産の白石民男議員は「(自民などが提出した案は)政治資金パーティー温存条例であり、真相解明に蓋(ふた)をする、裏金自民免罪条例だ。(我々の案は)今回求められる政治資金の問題に絞り込み、政治資金パーティーの自主的禁止に踏み出したものだ」と主張した。

 本会議では4カ月分の一般家庭などの水道基本料金の無償化を盛り込んだ補正予算や一部改正条例など知事提出の計45議案なども可決し、閉会した。【柳澤一男】

毎日新聞

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