石破首相、戦後80年の談話出さず 個人の「見解」を別日で検討

2025/08/15 18:26 

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 石破茂首相は終戦の日の15日、戦後80年の節目に合わせた首相談話を出さなかった。閣議決定による先の大戦を巡る公式な「首相談話」は、1995年の村山富市首相談話と2005年の小泉純一郎首相談話が終戦の日に、15年の安倍晋三首相談話が8月14日にそれぞれ閣議決定された。戦後50年、60年、70年と談話発表が続いてきたが、途切れる形となった。石破首相は15日、政府主催の全国戦没者追悼式で式辞を述べるにとどめた。

 首相は政府としての談話は自民党保守派の反発などを考慮して見送る一方、先の大戦の検証を含めた戦後80年の発信にこだわりを持つ。首相個人としての「見解」を、終戦の日とは別の機会に表明する検討を進めている。

 首相は追悼式後、首相官邸で記者団に「私どもの内閣においてこれまでの首相談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と述べた。その上で、見解表明に関し「今までの談話の積み重ねも踏まえながら適切に判断する。その際、戦争の記憶を風化させない、あのような戦争を二度と行わないという観点が大事だ」と語った。【竹内望、大野航太郎】

毎日新聞

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