震災記録誌の一部欠落は「製本作業中に発生」 岩手・大槌

2025/09/02 15:21 

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 岩手県大槌町は、町営施設に展示していた東日本大震災記録誌の一部が欠落した原因について、盛岡市の印刷業者から「製本作業中に発生した可能性が高い」と報告を受けたことを明らかにした。

 8月28日開会の定例町議会で平野公三町長が説明した。記録誌は町が2019年に発行した「生きる証」。A4判255ページのうち、津波が襲来した役場の様子や犠牲になった職員らの言動が記された16ページが欠落していた。町文化交流センター震災伝承展示室の備え付けで、現物を確認した町議が6月10日の町議会一般質問で指摘した。その後、町が印刷業者に原因を調査するよう求めていた。

 町によると、8月27日に印刷業者から書面で報告があった。切り取ったり破ったりした痕跡はなくきれいにとじられていることから、製本後に抜き取られた可能性は低いと判断したという。「生きる証」は増刷分を含め計2500部作成されたが、他に欠落は見つかっていない。【奥田伸一】

毎日新聞

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