高市首相、拉致被害者家族と面会 日朝首脳会談に意欲

2025/10/23 14:16 

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 高市早苗首相が23日、北朝鮮による拉致被害者家族と面会した。高市内閣は拉致問題を最重要課題と位置づけており、21日の首相就任から間を置かずに面会することで、長年の懸案の解決に向けた積極姿勢を打ち出す狙いがある。

 拉致問題を巡っては、被害者のうち5人が2002年に帰国してから23年が経過したが、目立った進展がない。関係者の高齢化も進む中、被害者家族は拉致被害者全員の即時一括帰国を求めている。

 首相は面会で「肉親との再会を祈るしかなかったこの状況は大変申し訳ない」と陳謝。その上で、問題解決には日本の主体的な取り組みも重要との認識を示し、「北朝鮮に対して過去の政権が行ってきたさまざまなルートに働きかけ、私自身もリーダーシップを発揮して突破口を開く」と述べた。

 木原稔官房長官は23日の記者会見で、27~29日の日程で来日を予定しているトランプ米大統領と拉致被害者家族との面会について「訪日中の具体的な日程については米側と具体的な調整を行っており、詳細は差し控える」と述べるにとどめた。

 ただ、首相は面会で「(日朝)首脳会談に臨む覚悟もできている」とし、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記との会談に強い意欲を示した。首相周辺は「就任間もない総理だが(拉致問題の解決は)総裁選のときからの公約で、そういった思いを表現したのだろう」と語る。

 高市政権下で拉致問題の解決に一定の道筋をつけられるかが今後焦点となる。【原諒馬、畠山嵩】

毎日新聞

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