側近が語る高市首相の「頑固さ」 サッチャー元英首相との共通点とは
高市政権が本格始動した。高市早苗首相は、英国初の女性首相だったサッチャー氏を尊敬していることで知られ、1997年に東京のシンポジウムで面会したこともある。出会いを実現させた高市氏の側近で、同じ松下政経塾出身の山田宏参院議員(自民)に2人の共通点を聞いた。
――サッチャー氏をシンポジウムに招いた経緯は。
◆私は英国の小選挙区制の選挙を学ぼうと、東京都議だった91年に渡英し、保守党の新人議員の事務所で働いたことがあります。日本の地方議員が選挙を手伝うのは珍しいので、党の幹部に興味を持ってもらいました。当時の英国議会の貴族院(上院)では、首相を退任したサッチャーさんが議員をしていて、その幹部を通じて知己を得ました。
――高市氏とサッチャー氏で共通しているところは。
◆頑固だなと思うほど不動の信念を持ち続けるところはサッチャー氏と似ていると思います。例えば、私は今回の総裁選で、靖国神社参拝は「適切に判断する」と答えてくれと言いました。前回総裁選(2024年)は首相になったら参拝すると思われ、米国、中国、韓国との外交関係悪化を懸念した議員の票が離れたことが敗因だと考えたからです。
ところが、高市さんは当初「ごめん、無理」と拒否しました。「無理だと当選できない。落ちたら終わりだ」と言ったら、「うーん」と考え込んだ後に渋々受け入れました。普通は説得されたら「分かった」となるけれど、ならない。多分、これから同じような場面があると思います。
私は高市さんに「『皆、敵でいい』という感じでやっていかないと、高市色が失われていく」と言っています。サッチャーさんは(82年のアルゼンチンとの)フォークランド紛争で、反対論があってもひるまずに艦隊を出して勝った。嫌われてもやる、ということもリーダーにとっては大事です。人に好かれようと思うと、だんだん駄目になってしまうんです。
高市さんは信念を譲ることはあまりないかもしれません。でも、人間対人間の関係では怖い人ではないです。
――サッチャー氏は自他共に認める「仕事中毒」でした。高市氏も同じでは。
◆高市さんも仕事中毒です。趣味は何かと聞かれたらドラムなどと言うかもしれないけど、本当は仕事以外は関心がないんじゃないかな。丹念にいろんな資料を読みこなし、自分の中で消化し、それが信念を形作り、仕事をする。そういう意味でも、サッチャーさんに近いものがある。
高市さんは、麻生太郎さんから「もっと仲間と飲みに行け」と言われ、昨年の冬ごろまでは一生懸命やっていました。徐々に仕事があるとか、資料がこんなにたまっているからという理由で飲みに行かなくなり、元に戻ってしまいました。
――経済政策ではサッチャー氏は緊縮財政だったとの指摘があります。積極財政を掲げる高市氏とは異なるのではないですか。
◆サッチャーさんが目指したのは「小さな政府」で、規制緩和や減税で公正なマーケットを作ろうとしました。高市さんは、何でもいいから財政出動してバンバンお金を配ればいいとは考えていません。これからの分野に対してはしっかり投資をするけど、まんべんなく補助金をばらまくことは、やらないと思います。
――サッチャー氏は格差拡大を招いたという批判もあります。国民を分断しないために高市氏に必要なことは何だと思いますか。
◆まずは闘う「鉄の女」でいいと思いますが、(松下政経塾を創設した)松下幸之助はどんなに自分が正しくても、相手を思いやる情を添えなければ人はついてこないと考えました。その教えを守ってほしいと思います。サッチャーさんも完全ではありません。【田中裕之、畠山嵩、内田帆ノ佳】
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