立憲・枝野氏、安保関連法「変えなくていい」 代表発言より踏み込む

2025/10/25 17:08 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 立憲民主党の枝野幸男元代表は25日、さいたま市内で講演し集団的自衛権の行使を一部容認する安全保障関連法について「憲法違反はない」と述べ「変えなくていい」との認識を示した。一方、法律は違憲でなくても「拡大解釈して違憲のことを誰かやるかもしれない。それはチェックしていかなくてはいけない」と述べた。

 野田佳彦代表は安保関連法の即時廃止を否定しているが、より踏み込んだ。

 立憲は国政選挙の公約などで安保関連法について「違憲部分を廃止する」と掲げている。枝野氏は安保関連法について、個別的自衛権の枠内に収まっており、2014年に当時の安倍晋三内閣が、集団的自衛権の一部行使を容認する必要がないのに「集団的自衛権の一部行使容認と言ったことが憲法違反」だったと主張した。

 石破茂前首相の退陣を受けて日本維新の会、国民民主党と首相指名選挙での協力に向けて協議した際、立憲の野田代表は安保関連法について「この10年間、明らかに違憲の状態だったと言えることはなかった。すぐ廃止しなければいけないということではない」と表明した。

 枝野氏は野田氏の発言についても、事前に「違憲部分は無いと言っていい」と本庄知史政調会長にメモを渡していたと明かし「もっと踏み込んで言えと私は言ったが『今のところ無い』だった」「野田さん、腰引けている」とも述べた。

 また、立憲は党綱領で「原発ゼロ社会を一日も早く実現」としているが、野田氏は維新や国民民主との協議で、原発新設は認めないが、再稼働は一定の条件で認める立場だと伝えた。

 枝野氏は「かなりセンシティブ」と前置きしたうえで、東日本大震災後、再稼働を最初に決めた首相が野田氏で、担当の経済産業相が自身だったことに言及し「一番現実的なコンビだ」と柔軟な対応を示唆した。【池田直】

毎日新聞

政治

政治一覧>