高市首相、黄川田北方相を電話で注意 根室の岬「外国に近い」発言で

2025/11/10 14:04 

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 高市早苗首相は10日の衆院予算委員会で、黄川田仁志沖縄・北方担当相が北海道根室市の納沙布(のさっぷ)岬から北方領土の歯舞(はぼまい)群島を視察した際に「一番外国に近いところ」と発言したことを巡り、電話で注意したと明らかにした。

 日本政府は「北方領土は日本固有の領土」との立場をとっている。首相は黄川田氏の発言について「政府としてその立場に基づき、北方領土問題に取り組んでいることに誤解を招きかねない」と指摘した。木原稔官房長官も8日、黄川田氏を注意したという。

 黄川田氏は同日、就任後初めて納沙布岬を訪れた。この発言については後に、「誤解があった」と弁明。石垣雅敏・根室市長が「根室は海外へのゲートウエー(玄関口)だ」などと発言したことを受け、「延長線のような形で(発言した)」などと釈明していた。

 黄川田氏は10日の衆院予算委でこの発言を振り返り、「当時の気象状況は寒風吹きすさぶ中で、話の全体の文脈を捉えてご理解いただくことが難しい状況だった」などと述べた。現地では政府の立場を説明したとしたうえで、「特に若い方に納沙布岬などの場に足を運んで、自分の目で見て、領土問題に自分のこととして思いをはせてほしいという思いを話した」と強調した。【野間口陽】

毎日新聞

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