クマ対策 宮城県が河川敷のやぶ除去に着手 人里侵入や突発遭遇防止

2025/11/10 15:22 

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 人身被害が多発し、目撃件数が過去最多に上るツキノワグマ対策として宮城県は河川敷でやぶの刈り取りを進めている。クマの人里への移動経路にもなるやぶを除去することで市街地への侵入を防ぎ、見通しを良くして突然の遭遇防止を図る。

 10日午後1時ごろ、加美町を流れる田川河川敷で作業員が重機を使い、生い茂る草木を刈り取っていた。

 クマが出没する危険のある宮城県管理の18河川26カ所の約47ヘクタールで6日から同様の作業を進めている。県北部土木事務所の東海林宏幸総括技術次長は「住民の安心、安全につながれば。県としてもクマ対策として初めて行うやぶの刈り取り。どのような効果があるか見極めたい」と語った。

 宮城県では10月に栗原市でキノコ採りの70代女性が死亡するなどクマによる人身被害が今年度4件発生し、目撃件数は過去最多の2236件(11月7日時点)に達している。

 県は5日、県民の安全確保に向けたツキノワグマ総合緊急対策を打ち出した。やぶの刈り取りのほか、箱わなの確保や見回り強化、捕獲体制の増強に向けた鳥獣対策の専門職員「ガバメントハンター」の積極採用などを進め、前線で対応する市町村を幅広く支援する。【山中宏之】

毎日新聞

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