石川知事選、高市首相応援の馳氏敗北 自民内「気の緩み」指摘も

2026/03/09 20:04 

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 8日投開票された石川県知事選で自民党と日本維新の会が推薦した現職の馳浩氏が新人に敗れたことで、与党内では圧勝した2月の衆院選の勢いに陰りが出ていると指摘する声がある。同知事選では高市早苗首相(自民総裁)が応援演説に赴く異例の対応をしたものの、馳氏の当選につながらなかったからだ。執行部側は地方選の結果の一つだとして火消しを図るが、自民内からは「負けたらどうしようもない」(閣僚経験者)と懸念の声も上がる。

 首相は9日の自民役員会で「残念な結果となった」と述べた。鈴木俊一幹事長はその後の記者会見で、保守分裂選挙で「与党対野党の構図で戦い、相手が勝ったということではない」と強調した。一方、関係者によると役員会は「選挙結果もあって、暗い雰囲気だった」という。

 知事選などの地方選挙で首相自身が応援演説に行くのはまれだ。馳氏の苦戦を予想する声もあったが、首相周辺は「前例は気にしない。首相が行きたいから行く」と述べ、首相自らの判断だったことを示していた。

 自民は衆院選で単独で3分の2を獲得する圧勝を収めており、自民ベテランは「党執行部が高市人気に乗れば勝てると思ったのだろう」と話す。ただ、馳氏が敗れたことで「衆院選で大勝した気の緩みが出たのではないか」と指摘した。

 首相が石川入りした2月28日は米国とイスラエルがイランを軍事攻撃した初日で、当時から批判もあった。9日の衆院予算委員会では中道改革連合の小川淳也代表が「応援に行くこと自体に賛否があった」と指摘し、首相は「不適切だったとは思わない。危機管理は十分行ったつもりだ」と述べた。自民ベテランは「イラン情勢を見れば、普通は行かないだろう」と苦言を呈した。

 今年は秋に沖縄県知事選が予定されるなど複数の知事選があるほか、2027年春には統一地方選がある。地方選の結果が政権の体力を奪う可能性もあり、自民関係者は「知事選にまで顔を出せば、『他の選挙はどうするんだ』と首相自身の首を絞めることになる」と懸念する。小川氏は9日、馳氏の敗北について「半分は高市さんの神通力が欠けたと判断していいと思う」と記者団に述べた。【高橋祐貴、遠藤修平】

毎日新聞

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