大阪・吉村知事、都構想の法定協議案を府議会提出 市議会は先送り

2026/03/09 20:38 

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 大阪府の吉村洋文知事(大阪維新の会代表)は9日、大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の制度案を議論する法定協議会の設置規約案など関連議案を府議会に提出した。一方、横山英幸市長(同代表代行)は8日夜、開会中の市議会への提出を断念し、5月開会の市議会に先送りする方針を表明。府・市で対応が分かれる形となった。

 法定協の設置には、維新が過半数の議席を有する両議会でそれぞれ規約案を可決する必要がある。吉村、横山両氏は2月投開票の出直し知事・市長ダブル選で都構想への「再挑戦」に信を得たとして、来年4月までの任期中に3度目の住民投票実施を目指している。それには、今月中に規約案を両議会で議決し、来月には法定協で議論を始める青写真を描いていた。

 だが、出直し選に反対した維新市議団が、議席を得た前回の統一地方選で都構想を公約に掲げなかったとして、早期の法定協設置に反発。両氏が党内の理解を得ないまま「独断」で出直し選へと突き進んだ無理が響いた。

 過去2度の住民投票に比べ、元々タイトなスケジュールを想定していたが、年度内の法定協設置が不可能となったことで、今後の日程はさらに窮屈になる。吉村氏は9日、府庁で報道陣に「5月市議会が最終の期限になるだろう。これは僕も横山市長も共通の認識だ」と述べた。

 「先の出直し知事選挙で府民の皆様と約束した副首都・大阪の実現と、都構想の設計図を作るため議案を追加提出した」。吉村氏は9日の府議会本会議でそう説明した。追加提出したのは、規約案や関連する条例改正案など計4件。維新府議団はいずれにも賛成の方針を決めており、24日の閉会日に成立する見通し。

 他会派からは、主戦場となる市議会ではなく、府議会で議論が先行することへの批判が相次いだ。自民党府議団の鹿田松男幹事長は9日、報道陣に「(法定協の)設置には反対する。副首都と都構想は別だ」と述べた。公明党府議団の藤村昌隆幹事長は委員会質疑などを踏まえて賛否を決めるとしたが、「都構想は2度の住民投票で民意が示されている」と否定的な見解を示した。

 ◇横山市長「現実的に3月議会は厳しい」

 一方、横山氏は8日夜、自身のSNSで市議会への月内提案を見送る方針を表明。9日には、東京都内で報道陣に「市民から少し拙速と受け取られかねず、現実的に3月議会は厳しいと判断した。どこかの会派の意見だけで判断したということはない」と述べた。

 維新市議団はこの日の会議で、4月中に市内全区でタウンミーティング(TM)を開いて市民の意見を聞く方針を確認した。竹下隆幹事長は報道陣に「府議会の話に、こちらから言うことはない。市議団は市議団で考えたらいい」と述べ、TMの状況次第では団としての判断が5月以降となる可能性も示唆した。【加藤明子、鈴木拓也、白川徹】

毎日新聞

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