「なりすまし広告」詐欺対策へ 自民PT、政府に法整備の提言案
著名人の顔や名前を無断で使ったSNS上の「なりすまし広告」による投資詐欺などの被害が深刻さを増していることを受け、自民党のプロジェクトチーム(PT)は12日、法整備を求める政府への提言案をまとめた。プラットフォーム事業者に対し、広告主への本人確認や行政機関からの通報があった場合の削除などを義務付ける法整備を求めた。これまでは政府から事業者への「対応要請」にとどまっていたが、被害の拡大に伴い、方針転換を促す。
これらの法整備には一定の時間がかかることが見込まれる。そのため、政府とプラットフォーム事業者が連携して専用通報サイトを設置することや実効性のある運用ガイドラインを策定することを求めた。法整備を待たずにできる措置を進めることで、被害の拡大を防ぐとしている。
ディープフェイク対策はデジタル庁、総務省、警察庁、消費者庁など複数の省庁にまたがる課題となっている。提言では政府に、対策の進捗(しんちょく)を一元的に把握し、新たな手口に対して対応策を打ち出すための、オンライン詐欺対策の総合調整機能創設も要望した。
提言は、平将明・前デジタル相を座長として2025年12月に設けた自民党の「ディープフェイク対策合同プロジェクトチーム」が取りまとめた。平座長は12日の会合で「実際に目の前で(被害)事例が起きている。『対応を取らないプラットフォーマーは絶対許さない』という姿勢で、政府と連携して取り組んでいきたい」と述べた。近く、党の提言として政府に提出する。
SNSの投資詐欺広告をめぐっては24年4月、フェイスブック上などで実業家の前沢友作氏や堀江貴文氏ら著名人を装った広告による被害が大きく注目された。総務省は同年6月、プラットフォーム事業者に対し、広告審査の強化や偽広告の削除などの対策を要請。しかし近年、被害は大きく増加している。警察庁によると、SNSを使った投資詐欺の25年の被害認知件数(暫定値)は9538件、被害認知額(同)は1274億円と、ともに前年から50%近く増加した。
あくまで政府から事業者への対策要請レベルにとどまり、法的な拘束力がないことが大きいとみられる。生成AI(人工知能)の技術発展に伴い、ディープフェイクは巧妙さを増しており、さらなる被害拡大も懸念されている。【町野幸】
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