佳子さま29日に30歳 国内外で多様な公務を担う日々
秋篠宮家の次女佳子さまは29日、30歳の誕生日を迎えられる。今年も漆器や陶磁器などの伝統文化に親しみ、手話を交えた障害者との交流を続けた。国内外で多くの人々と交流したこの1年の活動を写真とともに振り返る。
◇伝統工芸展で各地へ
佳子さまは日本工芸会の総裁を務めており、東京都内や福岡県、石川県で開かれた「日本伝統工芸展」に足を運んだ。
2月には佐賀県有田町に立ち寄り、有田焼の窯元を見学。「色鍋島」を作る「今右衛門窯」で、人間国宝の十四代今泉今右衛門さんから説明を受けた。
宮内庁によると、陶芸や染織など多分野が集う工芸展を鑑賞するだけではなく、「部会展」と呼ばれる分野別の会場にはお忍びで訪ねたという。精力的に伝統工芸への理解を深める日々だった。
多様な公務を担う中、手話を生かす機会も多かった。
8月の「第41回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」などでは昨年に続き、ろう者の言語である日本手話であいさつした。
手話で話したのは「自分とは異なる背景や状況への理解が深まることを願っています」との思い。この言葉は、手話関係の行事だけではなく、国際障がいスカウトキャンプ大会「日本アグーナリー」(8月)やガールスカウト日本連盟主催の「ガールズメッセ」(10月)のイベントでも伝えており、多様性を受け入れる社会を願う強い思いがにじんだ。
◇ギリシャを公式訪問
また、国際親善の分野でも活躍。5月に公式訪問したギリシャでは、外交関係樹立125周年の記念行事に出席し、世界遺産のパルテノン神殿を見学した。
福祉施設で現地の手話を使って交流する場面もあった。
ギリシャ初の女性大統領、サケラロプル大統領とも面会した。帰国後に公表した文書で「この記念の年が両国において幅広く多くの人々がお互いの国を知る機会になってほしいということなどについて親しくお話をさせていただきました。大統領閣下の社会や人々への思いを感じるとともに、私自身が国内外での活動に込めてきた思いもお話し、心に残る時間でした」との気持ちを明かした。
国内でも国際交流の公務に度々臨んだ。
3月、10月、12月の3回にわたり、外務省が中南米各国から招いた若手外交官らと秋篠宮邸で懇談。宮内庁によると、通訳を交えず英語で日本の印象を尋ねるなど、親しく言葉を交わしていたという。
◇ファッションも訪問先に応じ
訪問の先々では、カジュアルな装いやパンツスーツ、和服など、それぞれの場面に応じたファッションも注目を集めた。
日本伝統工芸展のために石川県を訪ねた際は、輪島塗のバレッタとイヤリングを身につけていた。【山田奈緒】
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