プーチン氏の謝罪、アゼルバイジャン大統領府も発表 遺族に哀悼の意

2024/12/28 23:11 

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 ロシアのプーチン大統領は28日、カザフスタン西部でアゼルバイジャン航空の旅客機が墜落したことを巡り、アゼルのアリエフ大統領と電話協議し、「ロシア上空で悲劇的な事故が発生した」と述べ、謝罪した。露大統領府が発表した。旅客機は露南部チェチェン共和国の首都グロズヌイ周辺で、ロシアの防空システムによって撃墜された可能性が指摘されている。

 プーチン氏は電話協議で、定刻通りに運航していた旅客機が何度もグロズヌイの空港に着陸しようとしていたと説明。「その時にグロズヌイ周辺ではウクライナの無人航空機による攻撃があり、ロシアの防空システムが迎撃した」と述べた。旅客機が防空システムの攻撃を受けたかどうかには言及しなかった。

 アゼルバイジャン大統領府も28日、プーチン氏が電話協議の中で謝罪を表明したとする声明を発表。プーチン氏が、墜落事故で命を落とした人々の家族らに対し、哀悼の意を伝えたと明らかにした。

 墜落の原因について、アゼルのナビエフ運輸相は27日、旅客機の残骸や目撃者の証言から、機体は外部から影響を受けたとの見解を示した。アゼル国営アゼルタック通信が報じた。ロシアの関与には言及しなかったが、ミサイル攻撃などの可能性を示唆した。

 ナビエフ氏は、旅客機の目的地だったグロズヌイの上空で「3回の爆発音が聞こえた後に何かが機体に衝突した」という生存者の証言に言及。旅客機の翼に複数の穴が開き、機内にも鋭利な物体による損傷が確認されているとした。

 一方、露連邦航空局のヤドロフ長官は27日、旅客機が墜落した25日朝、グロズヌイ周辺でウクライナの無人機による攻撃が行われており「周辺の状況は非常に複雑だった」と述べた。ヤドロフ氏は、機長がグロズヌイへの着陸を2回試みたが失敗し、露航空当局からほかの空港への着陸を提案されたが、自身の判断でアクタウに向かったと指摘した。

 旅客機の墜落を巡っては、ロイター通信が26日、アゼル情報筋の話として、露軍の防空システムが発射した地対空ミサイルが原因とする暫定調査の結果を報じた。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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