誤飲、やけど… 帰省先での思わぬ事故から子どもを守るには?
年末年始になると、帰省先の実家や親戚宅などに子どもを連れて行く機会が増える。
しかし、慣れない場所で子どもが何かを誤飲したり、やけどをしたりするケースは珍しくない。
思わぬ事故から我が子を守るにはどうすればいいのか。
◇誤飲で多いのは、高血圧や糖尿病の薬
「目を離したすきに、リビングの机の上にあった祖父の薬を子どもが食べた」
「床に置いていた自家製のホウ酸団子を子どもがかじった」
公益財団法人「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)には、祖父母宅で起きた5歳以下の子どもによるこうした事故の相談が年間約300件寄せられる。
2019~23年にあった誤飲などに関する相談件数は延べ1624件で、誤飲したものの内訳は多い順に、医薬品39%▽たばこ8%▽家庭用殺虫剤7%▽洗浄剤、化粧品、芳香剤が各5%――となった。
最多の医薬品は、祖父母が服用する高血圧や糖尿病などの薬が多く、子どもにとっては少量でも危険な場合がある。
◇祖父母宅で誤飲が相次ぐ理由は
祖父母宅で事故が相次ぐのは、普段は大人だけで生活しているため、興味を引くものが不用意に置かれていたり、子どもの手が届かないようにする対策が不十分だったりすることが多いからだという。
実際、誤飲したものがあった場所の高さは、判明している777件のうち、床やテレビ台などの「0・5メートル以下」が約7割を占めた。
では、事故を防ぐには具体的にどうすればいいのか。
同センターは①帰省する側は、子どもは身の回りにあるものを何でも口に入れること、特に薬は危険であることを祖父母や親戚に事前に伝える②子どもを迎える側は、誤飲する危険があるものを子どもが見えない場所、または椅子や台を使っても届かない場所に保管し、床に置いたホウ酸団子などは一時的に片付ける③子どもの前で薬を服用しない④子どもの滞在中は、周囲の大人が子どもの行動に気を配り、目を離さない――の4点を挙げる。
また、子どもは普段見慣れないものに興味を持ち、触りたがるため、ストーブやヒーター、電気ケトルによるやけどや、家具の転倒によるけがなどにも注意が必要だ。
消費者庁は、帰省先にあるストーブの種類や高さ、位置などを事前に確認しておくことを勧める。
◇自宅の大掃除にも危険が
一方で、年末は自宅にも危険が潜む。
注意しなければならないのは、作業に集中しがちな大掃除のときだ。
消費者庁は、洗剤のほか、ゴミとして出す保冷剤や乾燥剤、乾電池やボタン電池などは、子どもが誤飲すると重い症状を引き起こす恐れがあるとして、掃除中も子どもの手が届かない場所に置くよう注意を促す。
日本中毒情報センターは、万が一事故が発生し、医療機関を受診すべきか判断に迷う場合は24時間対応の電話相談サービス「中毒110番」(大阪072・727・2499、つくば029・852・9999)に連絡するよう呼びかけている。【近藤綾加】
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