大崎事件の第4次再審請求を認めず 最高裁、特別抗告を棄却

2025/02/26 12:28 

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 鹿児島県大崎町で1979年に男性(当時42歳)の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求審で、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は、殺人と死体遺棄罪で懲役10年が確定して服役した原口アヤ子さん(97)側の特別抗告を棄却する決定を出した。25日付。再審が開始されないことが確定した。

 裁判官5人のうち4人の多数意見。再審を認めなかった鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の判断を支持した。学者出身の宇賀克也裁判官は弁護側が提出した新証拠に高い信用性があるとして「再審を開始すべきだ」との反対意見を述べた。

 確定判決は、原口さんらが79年10月12日午後11時ごろ、原口さんの義弟だった男性の自宅で、男性の首をタオルで絞めて窒息死させ、遺体を牛小屋の堆肥(たいひ)の中に埋めて遺棄したと認定した。

 第4次請求審で、弁護側は男性の遺体解剖時の写真を基にした救命救急医の鑑定を新証拠として提出。男性は事故死の可能性があると主張した。

 これに対し、小法廷は、解剖時に遺体は腐敗し、不明とされた所見が多く、鑑定の証明力には限界があると指摘。死因の一つの可能性を指摘するにとどまると判断した。

 原口さんは一貫して無実を訴え、第1次請求審の地裁と、3次の地裁、高裁支部が再審開始を認めたが、いずれも上級審で覆っていた。【飯田憲】

毎日新聞

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