テスラ株急落 時価総額が1兆ドル割り込む 欧州EV販売不振で

2025/02/26 11:19 

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 25日のニューヨーク(NY)株式市場で電気自動車(EV)大手テスラの株価が急落し、時価総額が節目の1兆ドル(約149兆円)を割り込んだ。欧州でのEV販売が急激に落ち込んだのが要因。昨年11月の大統領選でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ氏の勝利に貢献したことで急騰してきたテスラ株だが、先行きには暗雲が漂っている。

 25日のNY市場でテスラは前日比27・73ドル(8・39%)安の302・80ドルで取引を終えた。大統領選直後の昨年11月7日以来、約3カ月半ぶりの安値だった。

 原因は欧州でのEV販売不振だ。欧州自動車工業会は25日、1月のテスラのEV販売が前年同月比50・3%減の7517台だったと発表。同月の欧州全体のEV販売は34・0%増と好調で、テスラの落ち込みが際立つ形となった。

 マスク氏は2月のドイツ総選挙で、「極右」政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に繰り返し支持を表明。こうした政治的発言が消費者の反発を招いたと、欧米メディアで指摘されている。

 マスク氏は昨年11月の大統領選で、巨額献金などでトランプ氏の勝利に貢献した。「トランプ政権に食い込むことで、自動運転分野の規制緩和などテスラに有利な政策が実施される」(アナリスト)との思惑が生まれテスラ株は急騰。昨年12月には過去最高値を更新していた。

 テスラ株の最高値は昨年12月17日の479・86ドル。2月25日の株価はそこから約37%下落している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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