アップル、米国に75兆円投資を発表 過去最大規模 トランプ氏謝意

2025/02/24 23:28 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米アップルは24日、米国に4年で5000億ドル(約75兆円)以上の投資を実行すると発表した。南部テキサス州にサーバーを製造する新規工場を新設するほか、人工知能(AI)向けに需要が膨らむデータセンターを全米各地で拡大する。投資額はアップルとして過去最大規模という。

 テキサス州の新規工場は2026年に稼働する予定。これまで米国外で製造していたサーバーの新たな生産拠点とする。アップルが独自開発した人工知能(AI)「アップルインテリジェンス」で重要な役割を果たす。

 AI利用拡大で需要が膨らむデータセンターを西部アリゾナ州、南部ノースカロライナ州などで増設する。アップルに部品供給する企業(サプライヤー)との協業も拡大する。

 また、先端分野への投資基金を50億ドルから100億ドルに倍増させ、技術開発や技能促進に取り組む。中西部ミシガン州には、技能訓練などを目的とした教育施設「アップル製造業アカデミー」を設ける。

 ティム・クック最高経営責任者(CEO)は声明で「米国の技術革新の未来に自信を持っている。長年にわたる米国への投資の拡大を誇りに思う」と述べた。

 「米国第一主義」を掲げるトランプ米政権は、国内外の企業に米国への投資拡大を呼び掛けている。既に中国からの輸入品に10%の関税を上乗せしており、「関税を回避するには、企業は米国内で生産する必要がある」と訴えていた。

 アップルは主力製品の「iPhone(アイフォーン)」を中国で生産している。クック氏は1月20日の大統領の就任式に出席するなどトランプ氏との良好な関係作りに努めていた。米国への投資拡大はトランプ大統領の求めに合致した内容となる。

 トランプ氏は24日、自らが運営するソーシャルメディア(SNS)に「我々が実行していることへの信頼なしには一銭も投じなかっただろう。ありがとうアップル!」と投稿した。

 トランプ政権下では、ソフトバンクグループ(SBG)、オープンAI、オラクルの日米3社も、米国でのAI事業に4年で5000億ドルを投じる計画を公表している。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

経済

経済一覧>