セブン&アイ、イトーヨーカ堂売却で米ベインに優先交渉権

2025/02/22 19:28 

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 セブン&アイ・ホールディングス(HD)が売却の手続きを進める、傘下のイトーヨーカ堂などを束ねる中間持ち株会社「ヨークHD」について、米投資ファンドのベインキャピタルに優先交渉権を与える見通しになったことが22日、明らかになった。セブン&アイとベインは今後、出資額など詳細についての交渉に入る。

 2024年11月末に締め切られたヨークHDの株式売却に向けた1次入札には、ベインのほか、セブン&アイから「そごう・西武」を買収した米フォートレス・インベストメント・グループや米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、日本産業パートナーズ(JIP)、住友商事などが応札したとみられる。その後、ベイン、KKR、JIPの3社から絞り込んだ。

 ベインは関東の駅前など好立地に店舗を構えるヨーカ堂の不動産価値を高く評価したとみられ、ヨークHDの企業価値として7000億円以上を提示した模様だ。

 セブン&アイ広報は22日、「当社から発表したものではなく、引き続き定めたプロセスに基づいて戦略パートナーの選定を進めてまいります」とするコメントを発表した。

 セブン&アイは主力のコンビニ事業に集中するため、不振が続いていたスーパー事業について26年2月までに保有株の半数以上を売却する方針を公表。株式の一部売却に向け、24年10月にヨーカ堂のほか、スーパーの「ヨークベニマル」、雑貨店の「ロフト」など計31社を束ねるヨークHDを設立していた。【加藤結花】

毎日新聞

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