福島・双葉町長が環境相と面会 除染土再利用の検討受け

2025/02/24 20:04 

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 東京電力福島第1原発(福島県双葉町、大熊町)事故後に福島県内の除染で出た土を巡り、双葉町の伊沢史朗町長が町内での再利用を検討していることを毎日新聞の取材に答えたのを受け、浅尾慶一郎環境相と伊沢氏が24日、福島市で面会した。伊沢氏は面会後、報道陣の取材に「私の考えということで、理解醸成を進めるため、我々は覚悟を持って取り組まなければならないということを話した」と述べた。

 24日に福島市であった国や県などが復興について話し合う福島復興再生協議会の前に非公開で面会した。

 伊沢氏は報道陣に、首都圏など県外で理解醸成が進んでいない現状を踏まえた「個人的な私見」とした上で、「県内で理解醸成が進まない中で首都圏の皆さんに協力を仰ぐのはまず難しいだろうと考えた。将来の町での造成工事などによっては町内で再生利用する可能性があるという考えは変わらない」と説明した。

 浅尾氏は面会後、報道陣に「(伊沢氏は)最終処分、再生利用がなかなか進まないということで心配されていた。しっかりと国もやっていく」と述べた。再利用の対象地域については「特に県外でという制限はないと理解している」との認識を改めて示した。

 一方、内堀雅雄知事も協議会に先立って伊沢氏と会談したことを明かし、「残り20年で本当に県外最終処分が実現できるのかという強い危機感を抱く町長の思いをうかがった」と述べた。

 除染土は、2045年3月までに県外で最終処分すると法律で定められている。国は除染土のうち、放射性セシウム濃度1キロ当たり8000ベクレル以下の土を全国の公共事業などで再利用し、最終処分量を減らす方針を示しているが、見通しは立っていない。【松本ゆう雅、岩間理紀】

毎日新聞

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