経産相が鉄鋼・自動車業界と意見交換 トランプ米政権の関税強化巡り

2025/02/25 20:12 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 武藤容治経済産業相は25日、トランプ米政権が計画する鉄鋼やアルミニウム、自動車への関税強化を巡り、国内の業界幹部とそれぞれ会談し、懸念や要望を聞き取った。武藤氏は3月にも訪米し、通商政策を主導するラトニック商務長官と会談する方向で調整している。産業界の懸念を直接伝える考えだ。

 自動車業界からは、日本自動車工業会の片山正則会長(いすゞ自動車会長)やトヨタ自動車の宮崎洋一副社長らが参加。片山氏は「自動車への追加関税が日本、メキシコ、カナダからの輸出車に適用された場合、日米双方の経済にとって悪影響も懸念される」と話し、追加関税の適用除外を日本政府が働きかけることを求めた。

 日本自動車部品工業会の茅本隆司会長は「部品業界にとっても米国は非常に重要な市場。追加関税の影響は大変大きい」などと不安を訴えた。武藤氏は「訪米の機会が得られれば、米国側にしっかりと我が国の立場を主張していきたい」と応じた。鉄鋼業界からは日本鉄鋼連盟の今井正会長(日本製鉄社長)やJFEスチールの広瀬政之社長らが武藤氏と意見交換した。

 トランプ政権は米国が輸入する鉄鋼とアルミニウムに対し、3月12日から25%の関税を課す方針で、自動車にも25%程度の関税をかける考えを示している。【古川宗、安藤龍朗、福富智、町野幸】

毎日新聞

経済

経済一覧>

写真ニュース