自公維3党首、修正予算案の合意文書に署名 成立が確実に

2025/02/25 21:06 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本維新の会の吉村洋文代表は25日夕、国会内で石破茂首相(自民党総裁)、公明党の斉藤鉄夫代表と会談し、高校授業料無償化などに関する修正が加わる2025年度予算案についての合意文書に署名した。先の衆院選で自民、公明両党は過半数割れして「少数与党」となった。このため、国会で予算案を成立させるには野党の協力が必要だが、維新が賛成することになり成立が確実となった。

 会談後、3党首は並んで取材に応じ、首相は「与野党の建設的な協議と合意は、国会のあり方としても非常に意義深い」と述べた。斉藤氏は「教育、社会保障は公明にとっても一丁目一番地。合意内容の誠実な実行に全力を挙げる」と話し、吉村氏は「公約を実現することが何より重要だ」と語った。

 会談に先立つ25日午前、維新は役員会で、自民、公明と政調会長間で合意した予算案の修正に関する文書案を全会一致で了承した。午後に開かれた両院議員総会は執行部と距離を置く柳ケ瀬裕文前総務会長が「このタイミングで賛成するのは安上がりだ」などと予算案に反対する考えを表明するなどして紛糾。3度の休憩を挟んで開始から約5時間後に終了した。前原誠司共同代表は終了後の記者会見で「(柳ケ瀬氏を除く)他の全員から賛成の決断をいただいた」と述べた。

 文書では、自公が譲歩する形で、維新が予算案賛成の条件としている高校授業料の無償化について今年4月から、全世帯に年11万8800円を支給すると明記。来年4月からは私立高に通う子どもがいる世帯への就学支援金についても所得制限を外し、上限額を「年45万7000円に引き上げる」とした。社会保険料負担の軽減を巡っては、医療のデジタル化や応能負担などを検討課題とし、維新が目標とする医療費の「年間4兆円削減」や、現役世代1人あたりの社会保険料負担の「年間6万円引き下げ」を、「念頭に置く」と記載。その上で予算案について「年度内の早期に成立させる」とした。【田中裕之、安部志帆子、内田帆ノ佳、野間口陽】

毎日新聞

政治

政治一覧>