古事記にちなむ奈良の阿礼祭、猛暑に勝てず 8月から5月に変更

2025/03/19 09:15 

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 毎年8月16日に90年以上欠かさずに営まれてきた売太(めた)神社(奈良県大和郡山市稗田町、藤本保文宮司)阿礼祭の開催日が5月5日(こどもの日)に変わる。終戦の1945年8月15日の翌日も開かれた伝統の祭だが、近年の猛暑を考慮したという。

 売太神社は日本最古の書物「古事記」を口伝したとされる稗田阿礼(ひえだのあれ)をまつる。阿礼祭は「稗田阿礼を『お話の神様』として顕彰しよう」と1930(昭和5)年に始まった。終戦の45年8月15日の翌日も開かれ、今年は96回目となる。

 みこ姿の地元の子どもが「稗田の舞」を拝殿で奉納。就学前を含む女児が境内で輪になり、花がさに浴衣姿で踊りを披露する。地元だけでなく、各地から多くの人が訪れるイベントとして定着していた。

 猛暑が続く中、神社は催し時間を短縮したり、開始時刻を早めたりしたほか、日よけのテントや大型扇風機の設置など熱中症対策を少しずつ強化してきた。だが、当日は踊り終わった幼児が水をガブ飲みする姿が見られ、事前の練習でも熱中症の危険が増していた。神社は「末永く安心して開催するための決断」と説明している。【熊谷仁志】

毎日新聞

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