総務省、フジテレビを行政指導 大臣名での厳重注意は異例

2025/04/03 21:10 

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 元タレントの中居正広氏がフジテレビのアナウンサーだった女性に性暴力を加えた問題で、総務省は3日、フジと親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)に対し、放送法に基づく厳重注意の行政指導を行った。理由として「今回の事態は放送事業者による自主・自律を基本とする放送法の枠組みを揺るがすもので、放送法の目的に照らし極めて遺憾」などとした。

 放送局の人権やコンプライアンス(法令順守)への対応を問題視した行政指導は異例。フジとフジHDは同日、「指導内容を真摯(しんし)に受け止め、対応していく」とコメントした。

 総務省は文書で、「放送の公共性や社会的責任に対する自覚を欠き、国民の信頼を失墜させた」と指摘。両社に対し、人権・コンプライアンスに関する対応強化策の具体化や着実な実施▽透明性を持って説明責任を果たす体制構築▽経営陣の意識改革--などを要請した。また、こうした再発防止策の具体的な内容を4月中に報告し、3カ月以内に実施状況を説明するよう求めた。取り組みが十分でないと判断した場合は「必要な措置を求める」とした。

 フジが設置した第三者委員会の調査報告書は3月31日に公表された。中居氏がアナウンサーだった女性に「業務の延長線上における性暴力」を行ったと認定。フジ経営陣の人権意識の欠如やハラスメントがまん延していた企業体質などを批判した。

 こうした内容を受けて、厳重注意は村上誠一郎総務相名で出された。総務相の名で出されること自体が少なく、同省は今回の注意を「非常に重いもの」と説明。過去には、オウム真理教幹部にTBS側が放送前のインタビュー映像を見せるなどした問題や、テレビ朝日の報道局長が政権交代を意図した報道をするように指示したと報じられた「椿発言」問題などで、それぞれ当時の郵政相が大臣名でTBSとテレ朝に行政指導を行った。

 林芳正官房長官は3日の記者会見で、フジテレビに対する政府関連の広告出稿を見合わせる方針を当面継続すると表明した。「今後同様の事態が二度と生じることのないよう厳重に注意した」と述べた。

 また、総務省は日本民間放送連盟(民放連)とNHKに対しても、人権尊重やコンプライアンスなどに関する取り組みの実効性を確保するよう要請した。【井上知大、竹内望】

毎日新聞

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