ハトのフン害に住民憤慨 エサやり禁止条例増加 過料5万円で防げる?
♪ぽっぽっぽ――と童謡で歌われた「平和の象徴」ハトだが、気軽に豆を与えてはいけない時代になった。都市部では、「フンで駅前が汚れている」「鳴き声がうるさい」などと、住民から苦情が相次ぎ、エサを与える行為を条例で禁止する自治体が増えている。今年4月からは、東京都板橋区が5万円以下の過料を科す条例を施行した。条例でエサやりを規制し、被害を防ぐことはできるのか。
ピチョン! なんだか湿った物が着地する音に気づき、見上げると、電線に20羽ほどのハトが並んでいた。足元を見渡せば、道路に白いフンが染み付いている。板橋区の住宅街。公園のベンチに座っていると、数十羽ものハトが集まってきた。求められている物を与えたくなるが、ここは、がまん、がまん。
板橋区は昨年秋、「ハト等への給餌による被害防止条例」を制定し、4月1日から施行した。
その背景には、ハトのフンなどによる被害に関する苦情が住民から多数寄せられたことがある。「フンで道路や建物が汚れる」「通行中にフンが落ちてきそうで怖い」「不衛生」――。こんな声が2021年度には30件、22年度は65件、23年度は77件と、近年、増加傾向にある。主な原因は、公園や駅前などで、エサを与える人がいて、それによりハトが集まって来ているためとみられる。
◇「指導の後ろ盾」
条例ができる前も、区は手をこまねいていたわけではない。住民から通報を受ければ、職員が現場へ急行し、エサを与えている人に、やめるよう求めてきた。しかし、あくまで「お願いベース」。
「公共の場所での給餌禁止」が条例化されたことで、より強く「指導」できるようになった。従わない場合は、勧告を行い、是正・中止を命じ、それでも従わない場合は、5万円以下の過料を科す。
「指導の後ろ盾となる」。板橋区環境政策課の河野雅彦課長は条例の意義をそう話し、「エサを与えないようにすることで、ハトも本来の生態系の中へ返っていくのではないか」と期待を寄せる。
同様の条例は、都内では09年に施行した荒川区が先駆け。板橋区を含めこれまでに計5区が施行。世田谷区は過料を設けていないが、過料を設けている区でも、適用例はまだないという。22年に条例を施行した大田区の担当者は「指導できるようになったことで、エサをまく人がいなくなり、問題となっていた駅前の環境美化も進んだ」と条例の効果を強調する。
◇都心部では減少傾向
NPO法人「バードリサーチ」によると、都市部に主に生息するのはドバトだ。伊豆諸島などを除く全国で、人が生活する場所に広く生息する。
16~21年に都内で行われたハトの繁殖分布調査では、全般的に増加傾向にある中で、都心部では減少傾向にあった。鳥インフルエンザ対策で、給餌禁止が呼びかけられたためとみられる。
車や自転車がフンで汚れ、ベランダに巣を作り、病気の媒介も懸念される。しかし、悪いのはハトではなく、エサを与えて引き寄せている人だ。3月から5月にかけては、ハトの活動が活発になる時期でもあるという。鳥をめでる気持ちは大切にしたいが、エサを与える行為は慎みたい。【山崎明子】
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