全国学力テスト、200万人参加 中学理科はオンライン、動画出題も

2025/04/17 17:00 

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 小学6年と中学3年を対象にした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が17日、一斉に実施された。初めてオンライン化された中学理科は14日から分散して実施されており、17日までに全国の児童生徒約200万人が国語と算数・数学、理科のテストを受けた。

 文部科学省によると、国公立と希望する私立の小中学校計2万8149校が参加。結果は例年7月下旬に公表されていたが、夏休み前に結果を受け取り授業改善につなげたいとの声を受け、今回から全国平均の正答率などは7月中旬に公表され、個人・学校別の結果も同時に通知される。都道府県・政令市別のデータは8月以降の公表となる見通し。

 中学理科はアクセスの集中を避けるため、1日約2300~2500校ずつ4日間に分けて実施した。生徒たちは1人1台配布されている端末で解答した。出題形式は多様化し、プロパンガスと都市ガスでそれぞれシャボン玉を作る実験の動画を見て、密度の違いを考える問題などが出題された。

 各教科ではいずれも、現行の学習指導要領が重視する「思考力・判断力・表現力」を測る問題が目立った。小学国語では「雨模様」の意味について世代間のとらえ方の違いを示したグラフを読み解く問題も出た。中学数学では「じゃんけんカードゲーム」を題材に勝ちやすさの理由を記述させた。

 文科省は端末での学テ実施を順次進め、2026年度は中学英語、27年度から全教科をオンライン化する。オンライン化した教科の都道府県別の結果は、従来公表してきた正答率ではなく、「どの難易度の問題に安定的に正解できたか」を表すスコアの平均値を示す見込み。スコア算出の精度や都道府県間の競争を避ける観点を踏まえ、10点程度の幅を持たせた公表を検討している。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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