米連邦地裁、代表取材の通信社枠廃止は「合憲」 AP側の訴え退ける

2025/04/19 12:51 

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 メキシコ湾を「アメリカ湾」に改称するトランプ米政権の方針に従わなかったとしてホワイトハウス(WH)の代表取材からAP通信の記者が締め出された問題で、首都ワシントンの連邦地裁は18日、大統領の代表取材から通信社の枠そのものを廃止したWHの対応は不当だとするAP側の訴えを退けた。他の通信社には認めてAP記者にだけ取材制限をするのは「違憲」だとする同地裁の判断を受け、WHが15日に代表取材枠の運用見直しの方針を示していた。

 WHの代表取材は「通信社」「テレビ」「活字」など媒体ごとの枠があり、通信社はAP、ロイター、ブルームバーグの3社が毎日交代で担当していたが、多数の新聞社などが属する活字枠に統合されることで取材機会が激減する。

 連邦地裁は政権に対して8日、他の通信社に取材を認めながらAPだけ排除することは許されないとして取材規制の仮差し止めを命令。AP側は通信社の代表取材枠そのものを廃止したWHの対応は裁判所の命令に従っていないとして救済を申し立てた。

 米メディアによると、連邦地裁のマクファデン判事はAPが他の通信社よりも取材機会を制限されるなど差別的な扱いを繰り返し受けた場合には「重大な結果を伴う」と言及する一方、そのように判断するには時期尚早だと指摘。また、AP側が異を唱えたWH側によるメディアの選別は「表面的には中立だ」との見解を示したという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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