北京で「世界初」の人型ロボットマラソン 内外に技術力アピール

2025/04/19 17:35 

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 北京市政府などの主催で、「世界初」とされる人型ロボットによるハーフマラソン大会が19日、同市で開かれた。大小さまざまな個性的なロボットたちが北京の街を疾走した。中国では国主導で人型ロボットの研究や開発が急速に進んでいる。大会の開催で中国の技術力を内外にアピールする狙いがある。

 中国の新興企業や大学が開発したロボット20体が参加した。計14回の曲がり角がある21・0975キロのコースを時間差でスタート。隣接するコースでは、人間のランナーが走る通常のハーフマラソンも同時に実施された。

 ロボット1体につき最大3人の人間が並走してサポート。バッテリーなどの交換は可能だが、ロボット本体を交換するとタイムが加算されるペナルティーがある。

 ロボットの大きさは180センチから1メートル以下までそれぞれ異なっている。デザインもマネキンのように人間を模したものから、角張ったタイプのものまでさまざま。観客に手を振る機能を持つロボットもあった。

 優勝したのは北京の新興企業が開発した「天工」で、タイムは2時間40分だった。転倒してリタイアしたり規定の時間をオーバーしたりするなどして、ほとんどのチームが完走できなかったが、多くの市民が声援を送っていた。

 先端技術分野で米国との競争が激化している中国は、人工知能(AI)と並んで人型ロボットの開発も習近平指導部の主導で急速に進めている。世界初とうたうハーフマラソン大会の開催で、国内の競争を促しつつ、海外にも技術力を発信する狙いがある。【北京・松倉佑輔】

毎日新聞

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