広島県府中町の森林公園で男性が殺害された事件で、県警は１７日、ＤＮＡ型鑑定などから遺体の身元は東京都練馬区の会社員、里見誠さん（５２）と確認されたと発表した。県警は里見さんが広島を訪れた経緯を調べるとともに、防犯カメラの記録などから複数人の男女が事件に関与したとみて行方を追っている。

　里見さんは１２日午後１０時半ごろ、府中町の水分（みくまり）峡森林公園にある管理棟事務所近くで倒れているのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。硬いもので頭や顔を複数回殴られており、死因は外傷性ショックだった。

　捜査関係者によると、里見さんは事件当日に東京から広島を訪れたとみられ、複数の男女とともに行動する様子が事件現場周辺の防犯カメラに記録されていた。

　里見さんが倒れているのが見つかる直前には公園利用者が助けを求める声を聞いており、県警は里見さんが何らかのトラブルに巻き込まれたとみている。現場には身元の特定につながるものが残されておらず、県警は事件の発覚を遅らせるために何者かが持ち去った可能性もあるとみて調べている。【井村陸】